forest_slide(変換後)
今日は立春ですね。

寒さがいちばん厳しい時期で、春はずいぶん先のことのように思われますが、
日の出の時間は少しずつ早くなってきています。

わたしが毎日参拝に出かける明治神宮の開門時間も
2月からまた少し早くなりました。

わたしはお正月も気持ちがあらたまって好きですが、
お正月のにぎわいがおさまり、静かに季節の変化を感じられるこの時期が
一年の節目のような気がして好きです。

「一年の計は元旦にあり」といいますが、
立春のこの日、どのような気持ちで過ごすかは、
昼間の時間が長くなり、太陽のエネルギーがだんだんと満ちていくこの時期、
新芽の吹き出す時期に、その向かう方向が大切であるのと同じように、
新しい一年の行方を定めるような気がするのです。

今年はどんな年にしたいと思っていますか。

しあわせに豊かに暮らしたいと願っているなら、
怒りや悲しみにとらわれて、美しく清らかなものを見失うのではなく、
わずかな光を見いだすことをいとわないでいたいと思います。

森の木々は、わずかな光を探し出して枝をのばします。
わたしが大好きな明治神宮の森は、大正時代、100年先に自然の森になるようにとの
壮大な構想のもとにつくられた自然林です。

木と木の間が詰まっているので、林の中はほとんど日は差しません。
でも枝はどんどん広い方向へとのびていって、
木々が植わっていない参道へと枝が張り出してまるでトンネルのようになっています。

わたしはその力強い木々の姿をみるたび、
わたし自身もそうありたいなと思うのです。

森の木々は動くことができません。

生まれたときから、ずっと同じ場所。
日陰になっても、水がなくなっても、いのちの限り精一杯、
そなわっている智慧をつかって生きています。

その精一杯の生きる姿に、わたしたちは知らず知らずのうちに
癒されるのかもしれないなと思うのです。

もしも、暗いニュースに暗澹たる気分に沈んだとしても、
どこかに差す光をみつけていきたいですね。

立春のこの日はなおのこと。

闇にさす光は、その美しさがよりいっそう増すように思うのです。。